伝統構法・石場建てによる、木と土壁の化学物質を使わない健康的な住まいづくり

「越屋根のある石場建ての家」 墨付け・刻み編

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「越屋根のある石場建ての家」

墨付け・刻み編

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宍粟材の杉の梁・桁。足固め・柱の桧です。冬伐り(秋分の日~春分の日)の材木。

27年1月より加工・墨付け・刻みの作業に入ります。

それまでの期間じっくりと自然に乾燥させ出番を待ちます。

人工乾燥材と自然乾燥材では材の寿命が違うのでこのようにしています。

やはり手間ひまが掛かるので御施主様の理解が必要です。ご理解して頂いた御施主様には感謝です。

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木口には割れ止めを塗ります。

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さて2014年の年末の材木の状況です。

最初は重かった材木も、日焼けで黒くなり、かなり軽くなりました。

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2015年になりました。

新年スタートと同時に、

看板板からスタートです。

シナベニヤに書いています。

 

 

まずは土台伏せ。

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小屋伏せ。母屋伏せ。

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越屋根伏せ。

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下屋根のむくり図。

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越屋根のむくり図

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と言う風に沢山書きました。

 

そして加工が始まりました。

まずは、杉材から。

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谷の木が多いようで、含水率が少し高めです。

良い木なのですが。

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当初の予定を変更して、丸太も削り、乾燥を早めます。

 

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丸太用の屋根も作りました。

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そして、伐り旬のいい、桧の破風板を丸太から購入。

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製材して、割れ止めを塗り数か月間乾燥させます。

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ななめ置きで水分を落とします。

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そしてお次は、桧の足固めの加工です。

どれも赤身勝ちでいい材料です!

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天然桧の100年生です。

良い木が紛れ込んでいました.

 

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桧の足固めだけで、6㎥超えです。

さすがに桧は重たい!

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杉は、時間をおきもう一度削りますが、

構造材すべてで30㎥超えです!

在来工法の家の倍の材積はあるでしょう!

材は2倍ですが、耐用年数は、普通の家の5倍程でしょうか.

家が長持ちするのは、究極のエコだと思います.

 

 

 

 

そして、間竿。米ヒバです。

素性が良くまっすぐな材を選びます。

曲がっていれば、寸法が狂いますから。

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真竹で墨差しも作ります。

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5本作りました。

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まずは間竿作りから。

間中がどこに合しても、墨一本ずれない、精密な間竿を作ります。

そのために2本作りました。

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そして、矩計り(かなばかり)の間竿も作ります。

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定規も作ったので、準備万端!

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墨付けの開始です!

まずは、蟻などの墨付け。

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木口には割れ止めを塗ります。

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次は、継手の加工です。

この道具達で刻んで行きます。

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まずは普通の金輪継。

墨付けをして

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刻みます。

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精密な墨を付けたので、ピッタリ!

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次は、3段目地の「小林式金輪継」

これは難易度がかなり上がります。

まずは穴あけから。

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刻めばこんな感じ。

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少し微調整しましたが、ピッタリです。

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継いで、墨付けをして、

ばらせば

すぐに狂いますので、ラップをして呼吸を止めます。

風を当てないことが大事ですね。

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お次は竿枘車知栓継(さおほぞしゃちせんつぎ)です

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車知と言う栓で引き寄せます。

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そして、そうこうしながら墨付けも終了。

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さて刻みます。

 

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蟻落としの仕口です。

下へ行くほど墨を残し、木の摩擦で抜けにくくします。

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渡り顎の仕口の受ける側です。

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渡り顎の仕口の乗ってくる側です。

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差し物です。これは込栓打ち。

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長い枘です。これは車知栓のオス側。

足固めはこのような仕口で構成されています。

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養生をして。

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足固め。

少しの間、お休みです。

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さて、最初の削りから1か月経た杉達。

水分も少し抜け、2回目の削りです。

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そして寸法も決まりましたので、むくり屋根の寸法決め。

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母屋の墨付けに入りました。

桁行が約14mありますので

5m・4m・4m・4mでつないで行きます。

もちろん継手は「小林式金輪継」

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母屋の金輪は2段目地です。

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つないで行きます。

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ピッタリ!

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つないだら、墨付けをします。

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そしてばらせばまたまた養生です。

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ほかの母屋も墨付けです。

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下屋根の母屋も終了し、この杉達は少しの間お休みです。

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お次は、一年間外で寝かせた梁を取り込み、削ります。

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ピシッと削りました。

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さて、材木屋さんから、追加の材料、

桧の5寸角の管柱

桧の6寸角の通し柱

玄関の差し鴨居が届きました。

良く乾いて、赤身勝ちのいい材料です。

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作業場では、梁の墨付けが始まりました。

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レーザーで墨だし。

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定規を使い、穴の大きさを確認しながら進みます。

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梁が桁に入る仕口です。

両蟻の大蟻渡り顎(おおありわたりあご)という仕口です。

かなり手間がかかります。

以前よりバージョンアップです。

仕事の手を込めればきりがありません。

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こちらは束に差さる仕口です。

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梁の渡り顎のお仕事。

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確認の為、仮組です。

一発OKです。

僕のやり方ですが、梁の座を取って、ひかり付けます。

このやり方だと、仮組しなくても一発でうまく収まります(^_^)

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外部は弁柄塗装です。端を弁柄で塗ります。

仕上げれば、汚れと狂い止めの為、ラップで養生。

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お次は、妻梁のお仕事。

ますはジョイントを作ります。

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刻めばこんな感じです。

やはり、内部はかなり湿っています。

杉は何年乾かせば、乾燥するのでしょうか?

3年から5年はかかりますかね。

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さて継いでいきます。

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ぴったり。

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持ち上げても、仕口で継いだところは壊れません!

さすが金輪継という名前だけあって、強い!!恐るべし。

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目地払い。一本の木になりました。

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座を取り、枘穴の墨付け。

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こちらは、蟻の仕口。

狂いにくいように、蟻を深く掘っています。

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渡り顎。この上に桁が載ります。

そして、柱の枘を桁の上まで伸ばし、割り楔で固定します。

 

渡り顎の端が飛ばないように、丸栓で補強し、チリシャクリも忘れずに。

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妻梁1セット目終了。

仕口に狂い止めを打ちます。

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そして養生。

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外部に面する部分には弁柄塗装です。

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こちらも妻梁。

これは通し柱に差さる仕口。

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車知で引き寄せ、胴栓で固定します。

襟輪(エリワ)は3枚に割っています。

3枚に割ることで、痩せや通し柱が痛むのを防ぎます。

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そして養生。

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さて今度は大梁です。

まずは、ジョイントの仕口の墨付け。

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大持金輪継です。

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組みます。

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ピッタリと収まりました。

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そして一本の木に。

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やはりクレーンで持ち上げても、大丈夫です。

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繋いで、全体の長さを墨付けし、

一度ばらして、刻みます。

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そして仕上げ。

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弁柄塗装。

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杉の丸太。

やはり1年乾燥させても、含水率が下がりません。

ラップ養生をしていましたが、

蒸れてしまう為、ダンボール養生に変更。

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そして積み上げます。

天井いっぱいです。

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梁の刻みも終わったところで、

破風板の刻みです。

破風板とは?

屋根の両サイドにつける部材で、

母端や垂木の接合部を雨から守る、

とても重要な部材です。

 

仕上がりはこのようになります。

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4セット作ります。

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ベニヤに書いた、縮尺の曲りの図面です。

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この図面をもとに、原寸の墨をします。

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曲りの割り付けです。

水糸と差し金だけで曲りを作っていきます。

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曲りわかりますか?

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ベニヤを切り取り

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破風板の荒どり。

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鉋盤にかかるように荒どりした後は、

厚みの寸法を決めます。

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こちらは、越屋根の破風板。

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拝みの部分は、ビスや金物は使わず、

吸付き桟で固定します。

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縦の溝も切り込みます。

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縦の溝には笄栓(こうがいせん)が入り、引き寄せます。

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母屋に差さる、蟻落としの仕口です。

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母屋端に写せるように、下端をひかります。

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仕上がりです。

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さて弁柄塗装。

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きれいに仕上がりました。

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そして狂わないように、

密封します。

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今度は下屋根の破風板。

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こちらも母屋に差さる仕口です。

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ぴっかぴか。

手鉋で仕上げれば、鏡のようにつやつやです!(^_^)

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組みあがり。

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養生をして

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弁柄塗装。

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破風板が終了したので、ラップ養生で密封します。

上棟まで、出番を待ちます。

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お次は柱の出番です。

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現場に行き、柱の寸法とり。

石の高さは一定でないので、

基準を決めて、下がり寸法をとっていきます。

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今回は、寸法を測る装置を作りました(^_^)

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さて木造り。

材の寸法をきめていきます。

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こちらは管柱。

4寸角です。

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加工終了。

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風に当てないように養生。

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次は、6寸角の通し柱の加工。

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さて墨付けのスタートです。

まずは6寸角の通し柱から。

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こちらは、梁丸太がかかる部分の墨付けです。

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次は5寸柱です。

木を見て、番付を振っていきます。

あなたはこっち、あなたはこっちの向き。

てな感じで・・・・・

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墨を付ければ、刻むまでの間、狂わないように養生します。

材木の管理は大変です。

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4寸角の管柱。例のように、番付を振ります。

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柱の墨付けが終わり、

差し鴨居の墨付け。そして刻み。

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これは柱からとったひかり棒です。

水平材のホゾ、襟輪、コミセンの位置が記されています。

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これを、差し鴨居に写し、刻みます。

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差し鴨居に建具の溝も突きます。

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狂い止め、割れ止めの埋め木をします。

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そして養生。

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次は桁固めです。

文字通り桁を固める部材です。

伝統構法、水平部材を増やせば増やすほど家は強くなります。

今回が初使用です。

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仕上がれば、養生です。

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風が入らないように密閉します。

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こちらは小屋束の刻みです。

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束の重ホゾ割楔締めのお仕事。

小屋梁と母屋の交差するところに重枘を貫通させ、

貫通した母屋の上から割楔で締め込みます。

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小屋束には貫も差さってきます。

下げ鎌と呼ばれる仕事。

鯖の尾枘(さばのおほぞ)ともいいます。

確かに魚の尾っぽにも見えますが。

 

角度を確認しながら掘り進めます。

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小屋束は終了しましたので積み込みです。

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桧の床束。

足固めを支える束です。

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こちらも重枘割楔締めのお仕事。

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お次は柱の刻みです。

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これも下げ鎌。鯖の尾枘のお仕事。

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こちらは上げ鎌。

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これは落とし込み。

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管柱終了。

風を当てると狂いますので、養生をします。

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今度は、石場建ての家の要ともいえる柱です。

仕事が見える場所には足固めが入ります。

礎石まで伸びた柱に足固めが差さることで、

曲げ抵抗の力で強くしなやかな家になります。

 

主要柱なので5寸角あります。

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柱頭は重枘割楔締め。

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仕事の箇所が多いので、掘るのも大変です。

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こちらは、礎石から越屋根の桁まで伸びた柱で、

6寸角あります。大黒柱ですね。

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仕上げ前に水で濡らし、凹んだところを膨らませ戻します。

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弁柄塗装。

外部のみ弁柄仕上げです。

もちろん、小川大工が塗ります。

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塗装も終わり、ふのりを焚き養生紙を貼りつけます。

乾燥中。

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きれいに積み上げ、

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狂い汚れ防止に養生です。

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柱が済めば、足固めの差し口を写した、

ひかり棒を足固めに写します。

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刻みます。

長い枘、短い枘。

いろんな仕事があります。

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車知のメス部分のお仕事。

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刻みはどんどん進みます。

越屋根の母屋です。

母屋とは、屋根の垂木を支える部材です。

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越し屋根の棟木です。

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母屋端です。ここに、破風板が取りつけられます。

破風の桟に蟻の加工をしています。

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これは、破風の下に蟻を掘って、

ここに差さり固定します。

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刻み終えれば手鉋で仕上げます。

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越屋根の桁です。

梁が差さりますが、

大蟻渡腮。おおありわたりあご。

渡腮の部分にも蟻にし、広がり防止にしています。

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積み込み。

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ダンボールとビニールで養生です。

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次は、下屋根の母屋です。

これも破風板が入ります。

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柱に差さるお仕事。

鼻栓で固定します。

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母屋の刻みも終わりましたので、

積み込みです。そして養生。

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桁の仕上げです。

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桁の弁柄塗り。

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そして積み込み。

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構造材も終了し、今度は貫の墨付け。

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刻みます。

こちらは、角柱の仕事。

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合い欠ぎのお仕事。

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角柱の中で絡まります。

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貫の継手はいろいろありますが、

鯖乃尾枘です。

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こちらは、柱に差さる仕口です。

鯖乃尾枘。

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こちらは、外部から差さる仕事。

外部から楔締めします。

長い鯖乃尾枘。

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刻み終わり。

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屋根材のよどです。

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化粧野地の仕上げです。

超仕上げの機械で仕上げます。

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こちらは垂木の弁柄塗装。

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この日は、お施主様が弁柄塗装をされました。

なれない作業だったので、大変だったと思います。

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さて作り物。

雇い枘のお仕事。

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沢山あります。

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割り楔も沢山。

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樫の木の原板。

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小割にし

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金輪継の楔に。

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バナナ型鼻栓に

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仕上がりはこんな感じ。

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こちらは車知栓。

130本

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貫の楔。

抜けない貫用。

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貫通の貫用楔です。

よ~く効く楔です。

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雇いホゾ 22本

車知栓 130本

梁楔 3

金輪楔 23本

6分込栓 20本

重枘楔 55本

一寸太枘 40本

一寸二分太枘 40本

角楔 101本

楔大 240個

楔小 600個

鼻栓 16本

込栓 500本

の木栓を段取りしました。

 

 

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よども弁柄塗り終わり、

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2015年9月26日(土)

いよいよ棟上げ材の搬入です。

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2015年9月27日(日)の建て方を待ちます。

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「越屋根のある石場建ての家」墨付け・刻み編終了です。

超長いページ見て頂いてありがとうございました。

お疲れ様でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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