「土」のある暮らし

家づくりに重要な二つ目は、「土」です。

土は、竪穴式住居などの大昔の時代から身近に使われている素材です。小川建築では、竹小舞下地に土壁を施工します。

ただ、土壁を使うだけではなく、発酵させた土壁を使います。発酵をさせるには、稲藁を使います。法隆寺の宮大工、西岡棟梁曰く、「土壁は三土用を越せ」と言われます。すなわち、三回夏を越させて、寝かせるということです。

藁一本には、1000万個の納豆菌がいると言われていて、藁を混ぜ込むことにより、微生物が繁殖し、藁から溶け出たリグニンが糊の役目をし、溶かれた藁の繊維質が土と絡まり強い土壁になります。

土壁を発酵させるのは、強くするためだけではありません。発酵をさせることで、室内環境が変わります。室内環境には、「発酵環境」と「腐敗環境」があり、それを実証すべく、3年前から実験をしています。

二つのビンには、土とミカンが入っています。一つのビンには、「セメント入りの土」もう片方のビンには「発酵土」。

実験後3年が経ち、セメント入りのみかんは真っ黒です。

一方、発酵土のみかんは、3ねんが経ちましたが、ミカンの色をしていて、まだまだ食べれそうです。

「発酵環境」と「腐敗環境」使う建材一つで、これほどまでに、物が腐りにくい室内環境に変えてしまいますので、小川建築では、発酵土の家づくりを必須としています。

日本の建築は、伝統建築が日本独自の発酵文化を作ってきました。酒蔵に代表される「土蔵」は発酵環境の中では麹菌が育ちやすく、蔵の中で、お酒・味噌・醤油などを作り、米などを貯蔵すれば傷みにくく長持ちすることを、先人たちは長年の経験で分かっていたのでしょうね。しかし、今では、目先の利益にばかり目が行き、物事の本質が見えなくなっているようにも思えます。

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